ILoveGeorgeAsakura anew

科学忍者隊G-2号ことコンドルのジョー(本名=ジョージ浅倉)をこよなく愛するキョーコ南部のブログです。 科学忍者隊ガッチャマン、見ようね♪

二次創作 by があわいこ

故郷の海岸

10年ぶりに見る故郷の海岸はあの時と同じように陽に照らされてキラキラと輝いていた。
あの日のことを考えると今こうして命があるということだけでも奇跡のようだぜ。

これから墓参りに行こうかまだ迷っている。
ここにはギャラクターが沢山いるからな。

下手をすると血の雨が降ることになるかも知れねえ



があわいこさんの今日のお題は『命/雨/海』です。


※2017年10月23日に出たお題
※2017年10月24日更新

庭の草叢(くさむら)

庭の草叢くさむら
                                                                  by があわいこ


 長い階段を這い上ると石像に偽装してある鋼鉄の扉が開いて冷たいが新鮮な空気が血に染まったジョーの身体を包んだ。
ここがギャラクター本部の入り口だ。
反射的に左手首に手をやってジョーは皮肉な笑みを浮かべた。そしてそこからのそりと這い出ると仰向けになって霧の向こうにかすかに見える懐かしい青空を見つめた。
(あいつらと大空を旋回しながら飛んだのはいつのことだったかな)

と・・その時、頭の上の方で何人かが走っていく足音がして声も聞こえた。
「ガッチャマンだ!」

ジョーは半身を起こした。
(ガッチャマン?健。どこにいるんだ、健。お前に本部を知らせなきゃ、俺は・・俺は・・)

まだ大きな声は出るだろうか?出せるだろうか?
受けた銃弾がいくつか埋まったままになっている腹に力を込めた。
「ケーン!ケーン!」
何とか声は出たが全身に言いようのない痛みが走ってジョーはその場に倒れた。


遠のく意識の中、草の匂いがジョーにBC島にいた幼いころを思い出させていた。


 庭の草むらからピヨピヨと鳴き声がするのでそっと近づいてみると小さなスズメの雛が羽を震わせている。
そのいたいけな姿がかわいらしくてジョージは草の匂いを嗅ぎながら身を伏せたままじっとその様子を見つめていた。

「巣から落ちたのだろう。いまに親がやって来てエサをやるから大丈夫だよ」
いつの間にかそばにパパも来ていてそう教えてくれた。
ところがしばらく待っていても親スズメは現れなかった。


あの子スズメは・・


銃声が聞こえてジョーは我に返った。

その音がした方に目をやると雑魚ギャラの後ろ姿が見えた。
誰かが追い詰められたんだろうか?そう思ったのと同時にズボンの隠しポケットに手をやると一本だけ羽根手裏剣が残っている。
 カッツェじゃないのが残念だったが、雑魚野郎の頸椎をめがけて最後の一本を撃ちこんでやった・・
つもりだったが当たったのか外れたのか?確認する前にジョーの全身に再び激しい痛みが走りその場に力なく倒れこんでしまった。

「ジョー!」
ジュンだとすぐにわかる声がして足音が近づいてきた。
狙われていたのはジュンだったのか?じゃぁあの羽根手裏剣は命中したんだな。よかった。
カッツェに投げた一本は外しちまったからなぁ。あれはとんだ無駄遣いだったぜ。

「ジョー、しっかりして」
目の前に心配そうなジュンの大きな瞳があった。
「ジュン、健を呼べ。本部の入り口はここだ」

「こちらG‐3号・・」
ブレスレットで健を呼ぶジュンの声を聞きながらジョーはまたあの日のジョージに戻っていた


 「親スズメは蛇かカラスにでもやられたんだろう。もしかしたらこの子スズメを守ろうとしたのかも知れないな」
ジュゼッペはそう言いながらペットショップから調達してきたミルワームをピンセットでつまみあげて羽を震わせ大きな口を開ける子スズメに与えていた。
いつまで待っても親スズメが来ないのでとうとうジョージは子スズメを拾いあげて家で飼うことにしたのだ。
「この子、いつか親の仇をとれるかな」
そう言うジョージにピンセットを渡したジュゼッペは少しあいまいな答えを返した。
「そうだな・・。もう少し大きくなって立派な翼が生え揃えばもっと高くもっと速く飛ぶことができるようになる。そうすれば好きなところへ自由に行けるようになるさ」

 その後しばらくするとその子スズメは本当にどこかへ飛んで行ってしまった。
ジョージは寂しかったがきっと親の仇を討ちに行ったんだと自分で自分を納得させた。

そして自分の両親が殺された後、ジョーも翼を与えられた。
あの時、ジョーはこれで親の仇が取れるとうれしかったものだ。

だが今は翼をもがれこうしてあの日の小さな子スズメのようにジョーは冷たい草むらの上に横たわっていた。


「ジョー、お前ってやつは」
聞き慣れた声に名前を呼ばれてうすら目を開けると見飽きてはいるが懐かしい青い瞳がそこにあった。
「わかってるよ。それ以上言うなって。これが俺の生き方だったのさ」

 生死を共にしてきた四人の仲間がジョーの顔を覗き込んでいた。
ジョーにはその向こうにジュゼッペとカテリーナが立っているのも見えた。

ギャラクターだった二人が迎えに来たってことは俺が行くのは地獄だろうか?

まぁいいか。地獄へ行けば健のやつにはもう会わなくて済むからな。
これから健は俺の屍を踏み越えてあの階段をあっという間に駆け下りていくんだ。
そしてカッツェの野郎を地の底へ叩き落として地獄へ送り、父親の仇をとるのさ。

そんなことを考えていたらまた健に皮肉を言っていた。
ここに俺を置き去りにして行くことを悔やむんじゃねぇよ・・と言ってやりたかったのによ。

パパ、ママ。
みんなにお別れを言いたいんだ。
もう少し待っててくれ。


(おわり)


切手とコイン

切手とコイン

                   byがあわいこ


 クリスマスツリーの飾りつけも終わり、スナックジュンの店内はパーティーの準備が万端整っていた。
あとはスタンド看板の電気をつけてお客さんが入ってくるのを待つだけとなっている。
ところがカウンターで調理をしているはずの甚平の姿がなかった。
「ジンペイ!あら・・どこ行っちゃったのかしら」
カウンターの中を覗き込んだ後、ジュンは2階に上がっていった。すると自室のベッドの上にしょんぼりと腰掛けている甚平をみつけた。
テーブルの上には何かのノートのようなものが2冊並べてある。
「どうしたの」
「ジョーの兄貴からクリスマスプレゼントが届いた」
肩を落としたままの格好で甚平はため息まじりにそうつぶやいた。
「えぇ?!」
ジュンは耳を疑った。
というのもクロスカラコルムから戻ってずいぶん経っていたからだ。
「まさか、ジョーは生きていたの!?」
ジュンの声がうわずっている

「うぅん、おねぇちゃん。これクリスマスに届くようにしばらく局留めになっていたらしいんだ」
「まぁ」
ジュンは机に近づくとかなりしっかりとした作りの”ノート”の表紙に触れた。
「それにしても同じようなノートが2冊とはねー」
すると甚平は片方の”ノート”に手を置いた。
「違うよ。こっちはオイラがジョーにあげようと思って買ったコインアルバムだよ。集めていた切手を売ってさ。そしたらこのジョーの手紙にはもうコイン集めはやめたからそれを全部売り払って切手帳を買ったから使えって書いてあるんだ。オイラもう切手は一枚だって持っていないって言うのにさ」

「ジョーがコインの収集をしていたなんてちっとも知らなかったわ」
二人がお互いを思いやる気持ちがとんだ行き違いになってしまったことをジュンは理解した。

甚平は右手の中指で鼻先を軽くたたきながら答えた。
「おいらが一度トレーラーに遊びに行った時さ。瓶の中にコインが沢山入っていたんだ。で、そのうち『甚平の切手みてぇにきちんと整理する』って言ったんだ。その時、『オイラの切手帳はボロっちくてとても他人ひとに見せられるものじゃないよ』といったのをジョーの兄貴は覚えていてくれたんだと思うよ」
甚平は涙声になっていた。

「あのころ、竜巻ファイターを2度も失敗したりして元気がなかったろ?だからクリスマスに内緒でプレゼントしようと思っていたんだ」

ジュンもアルバムの表紙を優しく撫でていた。
「これ、どうするの?」
「もちろん大切に取っておくさ。大人になってう~~んと稼いだらこの二冊とも切手とコインで満タンにするんだ」
鼻をすすったものの元気な声でそう言った甚平は2冊のアルバムを大切そうに机の引き出しに入れた。
そこにはあの日健が受け取らなかったブーメランも仕舞ってある。

「そうね、ジョーの分も頑張って集めなくちゃね」

その時だった。
「ジューーン、甚平お坊ちゃまーーー!腹が減ったぞい。早く店を開けてくれんかいのー。他のお客さんも店の外で待ちくたびれているぞい。クリスマスの掻き入れ時だというのにまったく姉弟きょうだい揃ってのんびりしちょるのー」
階下から竜の呑気な声が聞こえた。

ジュンと甚平は顔を見合わせるとクスッと笑い階段を下りていった。

(終わり)

時計

いつかこのブレスレットを外す日が来るだろうか。
左腕に何もなくなったらちょっと寂しいかな。

ということはバードミサイルの赤いボタンも押す必要がなくなるんだ。
でも本当はその方がいいんだろう。

そうだ、今度レースの賞金が入ったら腕時計を買っておこう。

その日が来ても物足りなくならねぇようにな



があわいこさんの本日のお題は「時計」、ドライな作品を創作しましょう。
補助要素は「いつか」です。

#njdai
https://shindanmaker.com/75905



ジョーの行方

「南部博士、ジョーの行方はまだわかりませんか?」

「思い当たるところは全て探したのだが・・仕方がない、最後の手段だ。健、やってくれ」
「わかりました」
健は思いっきり叫んだ。


「もういいかい」


「もういいよ」


「そこにいたのかジョー。もう白旗だ。かくれんぼはこれでおしまいにして夕飯にしよう」




があわいこさんの今日のお題は『白/行方/南』です。
shindanmaker.com/313623


うっかり「白」を入れ忘れて書いたものもあります。

「南部博士、ジョーの行方はまだわかりませんか?」

「思い当たるところは全て探したのだが・・仕方がない、最後の手段だ。健、やってくれ」
「わかりました」

健は思いっきり叫んだ。
「もういいかい」

「もういいよ」
「そこにいたのかジョー。お前の勝ちだ。かくれんぼはもうおしまいにして夕飯にしよう」


Author

キョーコ南部

200
アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」の科学忍者隊G-2号ことコンドルのジョーが大好きです
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第32話 ゲゾラ大作戦(前編)
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第94話 電魔獣アングラー
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第96話 ギャラクター本部に突入せよ
第97話 明日なき宇宙船レオナ3号
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第100話 20年後のガッチャマン
第101話 狙撃集団ヘビーコブラ
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第104話 魔のブラックホール大作戦
第105話 地球消滅!0002 (最終回)

notes
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