ILoveGeorgeAsakura anew

科学忍者隊G-2号ことコンドルのジョー(本名=ジョージ浅倉)をこよなく愛するキョーコ南部のブログです。 科学忍者隊ガッチャマン、見ようね♪

2016年04月

大阪のトークショーへ

英雄たち

先日、海鷲特別企画 ~英雄たち~のチケットをついに買ってしまいました

トークショーの前に会場と同じビルの中で行われるプチオフ会にも参加させていただく予定です。
ふつつかものですがみなさまどうぞよろしくお願い申し上げます<(_ _)>

東海道新幹線に乗るのは何十年ぶりかな?ちゃんと切符は買えるかしら?

イベントのほうのチケットは近所にあるファミリーマートのファミポートで買いました。
一応イープラスの会員なのですが、そちらから買うと郵送料がやたらかかるのです。
ファミポートからだと108円の手数料だけでした。
ちなみに検索したキーワードは「ゼーアドラートクベツキカクヒーロータチ」です。
はー、あの漢字はそう読むのか(~_~;)

銀英伝のことはひとつも知らないのだけれど大丈夫かな・・?

こちらには開演 18:00 終演 20:00(終演時間はあくまでも目安)とありましたので予定通りなら終電で家に帰れそうです(笑)

チケットはまだ残っているようです。私が行くからやめたとか言わないで、みなさまどうぞお誘い合わせて参加してくださいませね。


続きにはトークショーの詳細をコピペしました

続きを読む

南部博士、逝く

105-02


4月12日、大平透さんが肺炎のため、お亡くなりになりました。
86歳でした。

いつかこの日が訪れることはわかっていましたが、喪失感で一杯です。
硬軟善悪、どんな役も絶妙に演じられる稀有な声優さんでした

とても残念ですが、どうぞ安らかにお眠りください。


大平さんの声を意識したのは古くて「スーパーマン」の時からです。(私が見たのは再放送だと思いますが)
おばあさんが「アメリカ人も日本語が上手になった」と言うので
父か母が「ちがうよ、声だけ大平透という日本人がやっているんだよ」と説明していたのを聞いていたのです。
それからおばあさんは大平さんのファンになりました(笑)
私も「背が高い人が好き」というおばあさんの遺伝子はシッカリ受け継いでいるようです

南部博士以外ではやっぱりスパイ大作戦の指令(テープ)でしょうか。
「このテープは自動的に消滅する」という決まり文句に痺れました

あとは何といってもマグマ大使のゴア。
当時はまだ白黒テレビだったのでゴアのギラギラ光る顔が怖くて仕方なかったのですが、再放送の時に声だけでなく中身も大平さんだと知って驚きました。


NHKニュースには森さんのコメントが出ていました。
そのうち消えると思ったので魚拓しました。


【4/22追記】
2016/04/16 (土)
ささきさんがオフィシャルサイトにコメントを出されていました。
引用させていただきます。問題がある時はご連絡ください

大平透先輩の訃報は、長良夜桜演歌祭りの楽屋で知りました。最後にご一緒したのはスーパーマンの録り直しがあったときですね。お逢いすることはできなかったのですが、入院していたが少し元気になられたと聞いていました。
「科学忍者隊ガッチャマン」では長期に渡ってお世話になりました。「スーパーマン」は先輩から受け継ぎ、「The Fishing」は番組にご紹介頂き最初にゲストで出演してから、その後ナレーターを引き継ぎました。改めてご冥福をお祈りします。

故郷未だ忘れがたく 7

故郷未だ忘れがたく~ジュゼッペ浅倉物語 7

                   byがあわいこ


 ホントワール国の国際空港に夕暮れが迫っていた。
ジュゼッペはファーストクラスのデラックスなシートにその身体を沈ませてキャビンウインドウから夕焼けを眺めていた。
ジュゼッペがBC島の教会で親子三人、質素な結婚式を挙げてから早5年の月日が流れていた。
一人息子のジョージは7歳になっていた。そのジョージがクリスマスには青色のスポーツカーが欲しいとサンタクロースにお願いしていた・・そうカテリーナから聞いたジュゼッペはプレゼントを買うためにホントワール国へ飛んのだ。そして、今はまた島へと帰る飛行機の中だった。
 ホントワール国は既にカッツェの手に落ち、ギャラクターの友好国・・否、傀儡国となっていた。
ジュゼッペもいつしかギャラクターの大ボスとなり、こうしていつでもホントワール国とBC島を自由に行き来できるようになっていた。

 茜色に染まった空と絵筆で描いたような群青色の雲を見つめていると、その暗い雲の中に夕べの出来事がよみがえって来る。
そうか。つい昨日のことなのにもう遠い昔のようにも思える。もしかしたら夢だったのだろうか。
いや、あれは現実だった。



「ニッポンの方ですか?」
ジュゼッペは裏通りにある小さなバーの片隅に一人で座っている男性に日本語で声をかけた。
男はびっくりしてその顔を上げた。そこには日本人とは到底思えない灰青色の瞳をした彫りの深い男の貌かおがあったからだ。
男はジュゼッペが思ったとおり、自分と同じくらいの年格好だった。
そして「君は?」と日本語で返してきた。
ジュゼッペは男の問いには答えずに片方の口角を上げてニヤリ顔を作ると
「私にも同じものを」
そうバーテンダーに言うとカウンターの隣りに座った。
「ワタシの名前はジュゼッペといいます。ワタシの育ての親が日本人でした。その父が亡くなってからずいぶんと長い間日本語を話していません。ワタシの日本語はおかしいですか?」
なるほどそうかと合点がいった男は軽くうなずいた。
「いや、大丈夫ですよ。ジュゼッペさん。申し遅れました。私は鷲尾健太郎というものです」
健太郎が右手を出すとジュゼッペはその手を固く握った。

 薄暗い店内に置かれた小さなろうそくが揺らめき二人の影も揺れていた。
ここは美しいホントワール国には似合わない場末のバーだ。
もうすぐクリスマスだというのにこのバーがある界隈は物乞いと娼婦が夜の街を支配している。
表通りを美しく飾るイルミネーションも遠い世界の出来事のようだ。

ちょっと乱暴に置かれたジントニックを一口含むとジュゼッペはフッと小さくため息をついた。
「私には妻ともうすぐ8歳になる息子がいます。いま、私の故郷の島で暮らしているのですが・・」
健太郎はその言葉を聞いて驚いた。まさに自分と同じ境遇ではないか。
本来なら初対面の見ず知らずの人間にプライベートな話などすることはありえないのだが、思わず言葉に出してしまった。
「奇遇ですな。私も故郷(くに)に妻と一人息子を置いてきました。その息子はじきに8歳です」
「本当ですか?鷲尾さん!」
ジュゼッペの鋭い灰青色の瞳が大きく見開かれた。
だが、その瞳はすぐに憂いを帯び視線は水滴が付いたグラスに注がれた
「私は今、その息子に対して恥ずかしい仕事をしています・・」
消え入りそうな小さな声でそう言うと、ジュゼッペはジントニックに添えられたライムをグラスに絞りいれた。
そして
「自分がどんな仕事をしているのか、子供に本当のことを話せないって・・こんな辛いことはありません」
そう続けたのだった。
健太郎は少し残っていた自分のジントニックを飲み干すと、薄暗いカウンターの前をじっと見つめながら答えた。
「私は・・私も実は自分が本当はどんな仕事をしているか家族には内緒です。それどころか、私はもう死んだことになっているのです。一番信頼している友人に預けて別れた時、息子はまだ4歳でした。今の仕事が終わっても、もう息子には会えないかも知れません。」
健太郎の視線の先には別れた時の幼かった息子の顔が浮かんでいた。

ジュゼッペも健太郎と同じようにカウンターの向こうを見つめていた。
そこにはにっこり笑う愛息の顔があった。
「そんな酷いことがあるでしょうか・・?私は息子に養父と同じ名前を付けました。日本人の父のことを尊敬し、誇りに思っていましたから・・」
ジュゼッペは残っていたジントニックを一気に空けると、そのグラスを高く上げて
「おかわりだ。こちらにも」とバーテンに注文をした。
そしてあることを思い出していた。
「4歳・・。そういえば私の息子は4歳の時に交通事故に遭いまして、頭の手術をしたことがありました。あの時から少し性格が変わったような気がしています。でもとても元気に育っています。鷲尾さんもいつかきっとまた必ず息子さんに会えますよ」
そう言ってグラスを元に戻したジュゼッペは一息ついた。
「どうかなぁ」
そう言う健太郎にジュゼッペは
「私は、決心しました」と力強く話し始めた。
「今の仕事は辞めます。すぐには無理かも知れません。難しいことが多いでしょう。でも、息子にはやはり父親である自分のことを誇りに思ってもらいたいですから」

新しいジントニックが二人の前に置かれた。
「同じ歳のあなたの息子さんに」
「同じ歳の君の息子さんに」
そう言って二人は杯を合わせた。

「鷲尾さん、今夜は楽しかったです。久しぶりに日本語を話せたし」
「いや、こちらこそ」
健太郎はジュゼッペの話を聞いて心の片隅でもしかしたらこの男はホントワール国の秘密を知っているかも知れないと感じ始めていた。
それはジュゼッペも同様で、ギャラクターについて嗅ぎまわっているスパイの存在を思い出していた。

「鷲尾さんには悪いけど、クリスマスプレゼントを買って明日には島へ帰ります。息子が待っているのでね」
「それはうらやましいな。何を買うつもりですか?」
「サンタには『青い車』をお願いしたと家内に話したというのでミニカーを買って行きます」
ジュゼッペは父親の顔になっていた。
そして濃い青色をしたツイードのスマートなコートを着ると揃いのコッポラ帽を被って、もう一度健太郎と握手を交わした。
「いつかまた会いましょう。息子たちも一緒にね」
「あぁ、そうだな」
 ジュゼッペが席を離れても健太郎は別れた時の息子の泣き顔を思い出して、そのままカウンターに座り直すとグラスを見つめていた。
そして、ジュゼッペがホントワール国では自由に使えるプラチナカードで酒代の支払いをしたのをついに見ることはなかったのだった。

 ジュゼッペはバーを出ると酔いを醒ますために少し遠回りをしてホテルに帰ろうと裏通りをゆっくり歩いていた。
すると近くで警察官の笛の音がした。
いつ聞いても嫌な音だ。こんなところで誰を逮捕しようとしているのか?この辺りは無法地帯じゃないか。
そう思ってジュゼッペはハッとした。
(まさか、ワシオさん・・?!)

と、その時。ジュゼッペの目の前を見覚えがある白い中折れ帽が横切った。
「こっちです。ワシオさん」
ジュゼッペは健太郎の腕を掴むと、1ブロック先の路地まで走った。
すぐあとを警察のフラッシュライトが追いかけて来る。

ジュゼッペは意を決して健太郎の口を自らの口でふさいだ。
「う・・」
「しっ、黙って」

「おい!お前ら、ここで何をしている!?」
二人の姿がフラッシュライトに浮かび上がった。
「邪魔をするな、あっちへ行け!凸○※△×☆※凹●!!」
腰を思い切りグラインドさせながらジュゼッペはホントワールでしか通用しない汚い言葉を警官に浴びせた。
「ふん、くそ野郎が。このあたりに長居は無用だ。もっとあっちを探せ!」
警官たちは苦々しい表情で軽蔑のまなざしをジュゼッペに向けたが、あっという間にその場を走り去って行った。

「すみませんでした。でもこれで追っ手の目がごまかせました。この国の中でもめずらしいのですが、この界隈は男同士の方が自然なのです。ほら、あっちにも男娼(ボーイ)が立っています」
そう言うとジュゼッペはつかんだままだった健太郎の腕をゆっくりと離した。

 お互いに言いたいことや訊きたいことがあったはずだが、今夜はやめておこうとお互いに考えていた。
なぜかその思いが言葉を交わさなくてもわかったのだ。
「今夜は忘れられない夜となりましたな。来年の今日、生きていたらまた会おうではありませんか」
健太郎は帽子を被り直しながらそう言った。
「はい、あのバーで。では、おやすみなさい」
ジュゼッペはそう答えながら乱れたコートを軽くたたいてその歪みを直すと、さっさとその場を離れたのだった。



「なぜだろう・・?」
いよいよ日没が迫り暗闇が支配しだした夕暮れの空を見つめていたジュゼッペは日本語で小さく声に出してみた。
あの男に会って日本語で話をしたら長年の迷いから覚めたように決心がついた。
しかしギャラクターを裏切ることはそう簡単にはいかない。
BC島に帰ってもいましばらくはこれまでのように大ボスとしてふるまわなければならない。
「サンタクロースより」と書かれてあるクリスマスカードと共にクリスマス仕様の派手なラッピングが施されたブルーコンドルのミニカーを膝の上に乗せたまま、ジュゼッペはこれまでのことに思いを馳せた。
 じっと目を閉じるとこれまでのことがまぶたの裏に浮かんでは消える。
「島に帰るんじゃなかった・・」
後悔の念がどっと押し寄せ、たまらずかっと目を見開いた。

「ギャラクターの大ボス様だって?笑わせるんじゃない。私は罠にはめられたのだ」



(つづく)



←6へ戻る                                 8へ進む→


タツノコプロ55周年企画は・・?

タツノコプロは2017年10月で55周年なんですね。
来年のことを言うと鬼が笑うといいますが、タツノコプロの55周年企画は『Infini-T Force』というフル3DCGアニメになるそうです。



ガッチャマンはタツノコプロ創立10周年を記念して制作されたアニメなので来年で放送開始45周年ということになります。それが理由かどうかわかりませんが、いつもタツノコプロ創立記念に駆り出されてしまいます。



いいかげんこのバードスタイルのアーマー化はやめてほしいです。ガンダムじゃないんですから(≧ヘ≦)
本編の健もちらっと出て来るけど、何話からかしら?

『Infini-T Force』に出て来るガッチャマンの姿になんか『既視感』があるなーと思ったら、昔ポシャったハリウッド版のガッチャマンに似ていたわ。

gatchaman-1
まだ残っていたサイトへはここから


【追記】
ガッチャマンの45周年はタツノコプロとは別に何かやってほしいですね。
6月に大阪でやる企画のリターンズを首都圏でやらないかなぁ?
あと、ガッチャマン多めでタツノコバーの復活をお願いします!

故郷未だ忘れがたく 6

故郷未だ忘れがたく~ジュゼッペ浅倉物語 6

                    by があわいこ



 BC島へ帰ったジュゼッペたちはあの懐かしい教会をまず訪ねたが、聖堂の中はがらんとしていて誰もいなかった。
十字の形に切り取られた窓から夕日が差し込んでいて礼拝堂の真ん中に光の十字架が浮かび上がっていた。
(昔の造りから随分と変わったなぁ。新しい神父様が来たようだが、いまここにはいないみたいだ)
そう思いながら説教台の階段を上がってみるとそこには食べかけのピザとエスプレッソが置いたままになっていた。
ジョージの手を引いたカテリーナがジュゼッペを見上げていたので口をへの字に曲げて首を振った。
神父はいないという意味だ。
カテリーナはジョージを抱き上げてそのまま祭壇の方へと進んだ。
ジュゼッペも説教台から降りてくると祭壇の前まで来て二人はそこに跪いた。そして黙とうをささげた後にジュゼッペが口を開いた。
「私、ジュゼッペ浅倉はカテリーナ・カーチャリ―を妻とし、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓います」
 こうして二人は故郷の教会でやっと結婚式を挙げ、神の前で永遠の愛を誓ったのだった。
「ジュゼッペ・・」
「カテリーナ・・」
二人は見つめ合い、お互いを引き寄せた。熱いキスをかわそうとしたその時・・

後ろのドアがバタンと開いたかと思うと聞き覚えのある声がした。
「帰ってきたか、ジュゼッペ」
二人が振り向くとそこにはファツイオが立っていた。
「ファツイオか、久しぶりだな」
そう言って握手を求めるジュゼッペに応じるとファツイオは
「知っているよ、ホントワール国から逃げてきたんだろ?大変な借金があったらしいな」
と顔色を変えずに話した。
「なぜ、それを!?」
ジュゼッペは身体中の血が逆流するような感覚に襲われた。
「来たんだよ、ホントワールから。警察かギャングか知らないが借金取りの強面の連中が。お前らが故郷の島へのこのこと帰ってきてやしないかってな」
そう言いながらファツイオはカテリーナに目で会釈した。カテリーナはファツイオの視線からジョージを本能的に庇うしぐさをした。
「それで何と言ったんだ?」
ジュゼッペは強い口調でファツイオに迫った。
これまでのことがジュゼッペの脳裏を巡ってとても冷静ではいられなかった。
「金は返してやった。そうしたら奴ら、あっという間に引き上げていったぜ」
ファツイオは真顔で事も無げにそう答えた。
「なに!?」
意外なファツイオの言葉にジュゼッペの灰青色の瞳が大きく見開かれた。
「カッツェ様がそうしろといったんでな」
聞き慣れない名前を耳にして力が抜けると同時にジュゼッペは戸惑った。
「カッツェ・・?さま・・だと?」
「あぁ。紫色の仮面をかぶっていて顔はよくわからないんだが、学校を出たばかりといっていたから20代前半の若そうな男だよ。二年ほど前にこの島へやって来たんだ」
 ファツイオはカテリーナの行動を見て彼女に嫌われているのでは?と思ったのか、そう言いながら礼拝堂の出口へと向かっていった。ファツイオに促されてジュゼッペはカテリーナにここで待つように言うと二人を礼拝堂に残したままドアの外へと出て行った。
ジュゼッペの後を追おうとしたジョージをカテリーナが引き止めた。

 教会の入り口の前にはサルボ神父が子供たちとサッカーをしていた広場が残っていが、その周りは花壇になって整えられておりさらにオリーブの木が植えられていた。
花壇との間にいくつか置いてあるベンチの一つに二人は腰掛けた。
視線の先には海が見える。故郷の海はあの頃と変わりがないように思えた。
ファツイオはその海を見ながら話しを続けた。
「お前がホントワールへ行ってから・・いや、カッツェさまがこの島へ来るようになってから、この島も我々もずいぶんと変わった。カッツェさまは相当な科学力を持っていて、あっという間にマフィアは全滅したよ。それだけじゃない。今はギャラックもギャラクターと名前を変えてカッツェさまと共に世界征服をすることにしたのさ。そのためにまず世界中からウランを集めることになってね。それがマフィアを殲滅させた我々ギャラクターの次の仕事さ。世界中から優秀な科学者を集めることもね」
 マフィアを皆殺しにした時の光景がファツイオの脳裏によぎるのか、うっすら笑みを浮かべて饒舌に語る彼の横顔を見つめながらジュゼッペは疑問を一つぶつけてみた。
「カッツェさまって一体どこから現れたんだ?」
ファツイオはおもむろに立ち上がるとオリーブの木の下へ行きその実を一つねじり取った。
「それが謎に包まれていて『ベルク・カッツェ』という名前以外はわからないんだ。調べようとしても無駄だよ。素性や過去を知っているものは生みの親でさえ抹殺したという噂だ」
「ジュゼッペ!ジョージが・・」
ファツイオの話に被ってカテリーナの声がしたかと思うとジョージが広場に飛び出してきた。
「どうやら飽きてしまったらしいな。そろそろ行くか。カテリーナ、荷物を頼む。よぅし・・おいで、ジョージ!」
ジュゼッペは腕の中に飛び込んできたジョージの脇を後ろから抱えるとグルグル回した。
「それ~っ、竜巻だ~っ!」
ジョージがケラケラと笑う。
その様子を見ていたファツイオが
「ジュゼッペのところは男の子か。俺のところは女の子だ」
そう言いながらジョージの脱げた片方の靴を拾った。
「えー、ファツイオも結婚したのか」
ジュゼッペは靴を受け取るとジョージに穿かせた。
「そうだよ。レベッカをやっと口説き落としてな」
「レベッカ!そうだったのか。それはおめでとう」
ジュゼッペが急に大きな声を出したのでジョージがびっくりしてジュゼッペを見つめた。
 ジュゼッペはジョージを軽々と抱き上げると肩車をして両手で膝を押さえた。
灰青色の瞳を持ったそっくりな顔が上下に並んでいる。
「あの時お前がホントワールへ出国させてくれなかったら俺はカテリーナに会えなかっただろう。改めて礼を言うぜ」
「あぁ、良かったな。本当に」
ファツイオはジョージを見上げていた。
「ジョージか・・いい名前だな」
「ファツイオのところの娘さんはなんていうんだい」
ジュゼッペはわざと身体をゆすってジョージをあやしながらそう訊いた。
「ソフィアさ。平凡だろ」
ファツイオはさっきのオリーブの実を道端に投げた。
「ソフィアか・・いや、いい名前じゃないか」

 カテリーナが荷物を持って教会から出てきた。ファツイオはカテリーナにも聞こえるように少し大きめの声で言った。
「今夜はグランドヴィラホテルに泊まるんだろう?この辺りはあそこしかまともなホテルはないからな。明日迎えの車をよこすよ。それでカッツェさまに会うといい。そしてとりあえず借金返済の礼を言うことだ。カッツェさまには元ギャラックの仲間で優秀な科学者だといっておいたからな」
ファツイオは片目を瞑って白い歯を見せると踵を返した。
が、「おっと」
そういってもう一度こちらを向くと上着のポケットからギザギザの付いた赤い仮面のようなバッジを取りだすとジュゼッペに渡した。
「ホテルのフロントでこれを見せれば館内の施設はほとんどどこでもフリーパスだ。君がカッツェさまと会っている間も家族は5階のシアターでも屋上の遊園地でも自由に出入りができる。確か明日は屋上で子供向けのマンガ歌謡ショーがあるはずだ」
そう言い残してファツイオは去っていった。

 日没が迫っていた。ジュゼッペたちは急いでさっき上ってきた長い階段を下りるとタクシーを拾ってホテルへ向かった。
ホテルのフロントでファツイオが渡してくれた赤いバッジを見せるとすぐに広々としたスイートルームへと部屋が変更された。
夕食も食堂のバイキングではなく贅沢なコース料理をルームサービスで味わうことができた。
久々に親子三人でゆっくりとした時間を過ごすことができたのだった。
 湯量たっぷりの熱いシャワーを浴びたジュゼッペが最高級のベッドに横たわった時には、隣りのベッドでカテリーナとジョージが寝息を立てていた。
だがジュゼッペは目が冴えてしまった。
この分だと自分が本当はマフィアの子だということもカッツェとか言う人物は既に知っているだろう。
あぁ、それから教会の裏に住んでいるでいるあろう新しい神父様にはとうとう会えなかったな。話したいことがいろいろあったのだが・・。
そんなこれまでのことやこれからのことをあれこれ考えながら浅い眠りについたのだった。

 次の日の朝、フロントから迎えの車が着いたと連絡があり、ジュゼッペは黒塗りの大きな車に乗り込んだ。
車は「市庁舎」と書かれた建物の前に止まった。新築したものらしいがBC島に古くからある伝統的な宮殿を摸してあった。
ドアが開いたのでジュゼッペは車から降りた。それと同時にファツイオが市庁舎の階段の上に出てきた。
(ここは確か孤児院があったところじゃないだろうか?ずいぶんと変わったものだ)
そう思いながらジュゼッペは後ろを振り返り振り返りしながら階段を上っていった。

 長々と敷かれたフカフカの赤いじゅうたんを踏みしめて廊下を進むと豪華な彫刻を施した重厚なドアが見えた。
「カッツェさま、ジュゼッペを連れてまいりました」
そのドアの前でファツイオはかしこまり、深々と頭を下げた。
ドアが開くとどっしりとした木製のデスクの向こうにカッツェが座っていた。足を組んでリクライニングチェアーに深々と腰掛け、指を組んだ両手の上に顎を乗せている。
その名の通り猫のような紫色の大きな耳が付いた仮面を被っていてその素顔はわからない。
「お前がホントワールから来たジュゼッペか?」
厳めしいそのマスクには似合わない甲高い声だった。
「はい」
「科学の勉強をしていたと聞いたが本当か?」
「はい。薬学を少し研究していました」
妖しく光る紅い口唇がニヤリとした。
「よろしい。それではわがギャラクターに入り、その研究をつづけたまえ。君にはすでに多くの資金をつぎ込んだ。しっかりと頼むぞ。家族とともに住む家はファツイオ君に相談して決めればよい」
ファツイオは返事の代わりに音を立てて踵を合わせると直立不動で敬礼をした。
ジュゼッペは
「はい。その節はありがとうございました。ご期待に応えられるよう精進します」
そう型通りの応答をすると深々と頭を下げた。
「うむ」
カッツェは満足そうにうなづくとデスクの上に用意されていたクリスタルグラスの赤ワインを飲み干した。
それが合図だったように牙がついている緑色の覆面をしたカッツェの手下らしい男がドアを開けた。
ジュゼッペがファツイオと部屋から出ようとした時、カッツェがその背中に声をかけた。
「ホントワール国は良いところらしいな、ジュゼッペ君。今度視察に行こうと思っていたところだ」
ジュゼッペは振り向いて片方の口角だけを上げ、ニヤリ顔を作った。
「森と湖が美しい国です」
そう答えると一礼してファツイオに続いて廊下へ出ていった。

 ジュゼッペの新居はすぐに決まった。
その昔は島の貴族の館でレンガ造りの屋敷だ。玄関の上に斜めについている外階段で二階へ上がれるようになっている。
中庭には名前もわからない異国の立木や草花が咲き乱れているし、二階のテラスからは紺碧の海が見渡せる。
「少し前まではマフィアの幹部の別邸だった。つまり、第二夫人の住み家だったから内装もきれいだぜ。できれば俺が住みたいくらいだ」
ファツイオは笑いながらそう言って真新しいコッポラ帽をジュゼッペに投げてよこした。
「ギャラック・・いや、ギャラクターにようこそ。よく帰ってきてくれたな、ジュゼッペ」
そう言うとファツイオは振り返りもせずに帰って行った。

新居の中を見て回る中、応接室の壁に掛けられていた大きな額を見てジュゼッペは声を上げた。
「こ、これは!」
それはサルボ神父が孤児院から自分を出してくれるために交換したあの火山のモザイク画だった。

 その昔、サルボ神父さまがまだ修道僧だった養父・譲二に話していたという「恐ろしい組織」というのはマフィアではなく、もしかしたら・・。
ジュゼッペは首を振った。
ここで何の不自由もない暮らしができるだろう。だが、裏庭の片隅でセンチュリーフラワーが一斉に咲いているのを見たジュゼッペの胸に一抹の不安がよぎるのだった。

(つづく)



←5へもどる                                                         7へ進む→
Author

キョーコ南部

200
アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」の科学忍者隊G-2号ことコンドルのジョーが大好きです
中の人は があわいこ です

初めての方は(こちら)をご覧ください

ただいまの訪問者は
キョーコのリンク
Chat in ♪ Joe’s Trailer (チャット)ひとりごと歓迎

チャット過去ログ (別のブログへ飛びます)
Joe's channel (Youtube)

ガッチャったー

があわいこの文字置き場
があわいこの気ままな生活
リンク集
いつも来訪ありがとうございます\(^o^)/
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

数値はPVアクセス数です。
前ブログからのトータルです

アーカイブ
メッセージ

メッセージはこのブログの管理画面に届きます。他の誰にも読まれません。 お返事がいらない場合はメールアドレスを省略してもかまいません。--------------------------------------------------------

名前
メール
本文

記事検索
最新コメント
突っ込みボード

・ 突っ込みボード もくじ

以下 個別記事へ

第1話 ガッチャマン対タートル・キング
第2話 魔のお化け空母現わる
第3話 嵐を呼ぶミイラ巨人
第4話 鉄獣メカデゴンに復しゅうだ
第5話 地獄の幽霊艦隊
第6話 ミニ・ロボット大作戦
第7話 ギャラクターの大航空ショー
第8話 三日月サンゴ礁の秘密
第9話 月よりの悪魔
第10話 地底怪獣大戦争
第11話 謎のレッド・インパルス
第12話 大喰い怪獣イブクロン
第13話 謎の赤い砂

第14話 恐怖のアイス・キャンダー
第15話 恐怖のクラゲ レンズ
第16話 無敵マシンメカニカ
第17話 昆虫大作戦
第18話 復讐!くじら作戦
第19話 地獄のスピード・レース
第20話 科学忍者隊危機一発
第21話 総裁Xは誰れだ
第22話 火の鳥対火喰い竜
第23話 大暴れメカ・ボール
第24話 闇に笑うネオン巨人
第25話 地獄の帝王マグマ巨人
第26話 よみがえれゴッドフェニックス

第27話 ギャラクターの魔女レーサー
第28話 見えない悪魔
第29話 魔人ギャラックX
第30話 ギロチン鉄獣カミソラール
第31話 南部博士暗殺計画
第32話 ゲゾラ大作戦(前編)
第33話 ゲゾラ大作戦(後編)
第34話 魔のオーロラ作戦
第35話 燃えろ砂漠の炎
第36話 ちびっ子ガッチャマン
第37話 電子怪獣レンジラー
第38話 謎のメカニックジャングル
第39話 人喰い花ジゴキラー(前編)
第40話 人喰い花ジゴキラー(後編)

第41話 殺人ミュージック
第42話 大脱走トリック作戦
第43話 悪に消えたロマンス
第44話 ギャラクターの挑戦状
第45話 夜霧のアシカ忍者隊
第46話 死の谷のガッチャマン
第47話 悪魔のエアーライン
第48話 カメラ鉄獣シャッターキラー
第49話 恐怖のメカドクガ
第50話 白骨恐竜トラコドン
第51話 回転獣キャタローラー
第52話 レッドインパルスの秘密
第53話 さらばレッドインパルス

第54話 怒りに燃えたガッチャマン
第55話 決死のミニ潜水艦
第56話 うらみのバードミサイル
第57話 魔の白い海
第58話 地獄のメカブッタ
第59話 怪獣メカ工場の秘密
第60話 科学忍者隊G-6号
第61話 幻のレッドインパルス
第62話 雪魔王ブリザーダー
第63話 皆殺しのメカ魔球
第64話 死のクリスマスプレゼント
第65話 合成鉄獣スーパー・ベム
第66話 悪魔のファッションショー

第67話 必殺!ガッチャマンファイヤー
第68話 粒子鉄獣ミクロサターン
第69話 月下の墓場
第70話 合体!死神少女
第71話 不死身の総裁X
第72話 大群!ミニ鉄獣の襲来
第73話 カッツェを追撃せよ!
第74話 バードスタイルの秘密
第75話 海魔王ジャンボシャコラ
第76話 あばかれたブレスレット
第77話 成功したベルクカッツェ
第78話 死斗1海底1万メートル
第79話 奪われたガッチャマン情報

第80話 よみがえれ!ブーメラン
第81話 ギャラクター島の決斗
第82話 三日月サンゴ礁を狙え!
第83話 炎の決死圏
第84話 くもの巣鉄獣スモッグファイバー
第85話 G-4号はあいつだ
第86話 ギャラクターの買占め作戦
第87話 三段合体鉄獣パトギラー
第88話 鉄獣スネーク828
第89話 三日月基地に罠を張れ
第90話 装甲鉄獣マタンガー
第91話 三日月基地爆破計画完了
第92話 三日月基地の最後

第93話 逆襲!地中魚雷作戦
第94話 電魔獣アングラー
第95話 合体忍者大魔人
第96話 ギャラクター本部に突入せよ
第97話 明日なき宇宙船レオナ3号
第98話 球形鉄獣グレープボンバー
第99話 傷だらけのG-2号
第100話 20年後のガッチャマン
第101話 狙撃集団ヘビーコブラ
第102話 逆転!チェックメイトX
第103話 死を賭けたG-2号
第104話 魔のブラックホール大作戦
第105話 地球消滅!0002 (最終回)

notes
当ブログで引用している、一部の写真及びイラスト類等は個人の趣味範囲の公開であるとの認識から、営利目的ではない点ご理解頂けるとは思います。著作権等はそのコンテンツのそれぞれの制作者に属しています。 このような個人で楽しんでおりますブログですので、使用させていただいている画像や引用させていただいている記事の権利は所有者に帰属するものであり、所有者の権利を侵害する意図は全くございません。所有者から指示がありました際には、速やかに従います。

♥♥♥♥♥♥♥♡♡♡♥♥♥♡♡♥♥♥

1616BBS 無料レンタル掲示板
アクセスカウンター

    時々カウンターが壊れるようなので(爆)
    様子を見ることにしました

    • ライブドアブログ